面接で採用・不採用を分けるポイント

2009年に登録販売者制度が導入されたことにより、薬剤師需要が激減するとも思われましたが、薬学部が6年制になり、新卒薬剤師が出ない空白の2年間があったことで、まだ薬剤師は需要が高く、売り手市場と考えられています。
しかし、2012年から6年制の教育を受けた薬剤師の採用がスタートし、今後買い手市場へと変わっていくのは明らかです。

薬剤師が就職に困る時代が来る?

これまでは現役薬剤師が転職を望めば、引く手あまたで就職に困ることなどありませんでしたが、今はそれも変化しており、なかなか転職先が決まらない人も出てきています。企業がせっかくの経験豊かな薬剤師を不採用にする理由は何でしょうか?
大きな理由は、企業側が薬剤師に求める能力の変化です。医療もサービス業であり、患者さんはお客様という考えが浸透してきています。経験さえあれば良かったころとは違い、愛想もなければ患者さんへの気遣いもできない薬剤師は、企業に敬遠されがちです。調剤機器も高性能なものが次々と出てきて調剤が機械化されている中、薬剤師には人間的な魅力がより必要になってきているのです。

面接で重視されるポイント

もう一つ重視されているのは、転職後長く働く気構えがあるかどうかです。転職する際に面接でどこに行ってもされる質問は「なぜ今の会社を辞めて当社を選んだのですか?」ということでしょう。この質問に対し、「人間関係でストレスが多くて…」、「労働条件に不満があって…」といった理由を真っ正直に答えてしまうのはNGです。労働条件は上を見ればキリがありませんし、人間関係のトラブルなどない会社を探す方が難しいです。そのような理由で転職しているような人は、採用してもまたほかの会社へ行ってしまう可能性が高いと思われてしまいます。
しかし、ポジティブな転職理由ばかりではないのが普通です。ではネガティブな理由の場合はどう答えるべきか。それは、言葉をうまく変換して、ポジティブな理由であるような印象を面接官に与えることです。たとえば「残業が多すぎて疲れた」のだとしても、「日常業務だけでなく、もっと自己研鑚に時間を注いで、将来的に会社に貢献できる薬剤師になりたい」と力説する、といった具合です。
自分ではそううまく自分を売り込めない人も多いでしょう。そんなときは人材紹介会社などに相談されるのも一つの手です。面接練習、履歴書・職務経歴書の添削など、色々とアドバイスを受けられるところもあるので探してみましょう。