調剤薬局への就職。大手と中小のメリット、デメリット

調剤薬局への就職を希望する場合、自分の望む環境を考え、まず、大手チェーンか中小かを選びます。それぞれのメリットとデメリットは表裏一体です。例えば大手は本社に全地域のデータが揃っているから質の高い教育を行えますが、データが揃うためには各店舗から報告が必要で、つまりは調剤や投薬など以外の雑務が増えるというデメリットにも繋がるといった具合です。以下に具体例をご紹介します。

大手チェーンのメリット、デメリット

大手チェーンのメリットは、なんといっても教育体制が整っていることです。各店舗での研修に加え、新人全員を集めた集合研修などで、皆が一定のレベルに到達するようなカリキュラムが出来上がっています。また、店舗数が多いため、安定性が高く、1店舗閉店したとしても個人への影響が少ないです。そして、機械も最先端のものを揃えていることが多く、機械化が進んでいます。
デメリットは、全国展開であるため、遠方への異動の可能性が高いことです。1~2年限定で関東から九州や北海道へ転勤ということも珍しくありません。また、一人一人が駒のように考えられがちで、本社の決定通りにしか動けないのがもどかしい場合があります。そして、本社への報告書作成などといった、日常業務以外の雑務が多い傾向にあります。その割にお給料が安いということで不満が出やすいのが大手の特徴です。

中小薬局のメリット、デメリット

メリットとしては、限られた地域での店舗展開であり、引っ越しを伴う異動はほとんどないことです。家庭のある人や、地元にずっといたい場合にはありがたい条件です。また、社長や専務といった経営者たちとの距離も近く、自分のやりたいことをアピールしやすく、業務も機械的でなく、自主性を持って取り組めます。
デメリットは、人数がギリギリの場合が多く、一人一人の負担が大きくなりがちなことです。40℃の熱が出ても休めないという薬局もあります。また、店舗数が少なく、門前のクリニックが閉院して1店舗閉店となった時の経営への打撃も大きく、常に経済的不安がつきまといます。教育体制も統一されておらず、スキルアップ目的だと心もとないかもしれません。
これらのことを踏まえて、自分が望む優先条件や目的から就職先を絞ることをおすすめします。